ホームレスな御曹司…!?
だって。


人生の底辺なんて、自分で決めるもの。


限界だと決めたラインが諦めの終着点。


ここにいるチカブミさんのホームレス生活が、底辺だとは思えない。


こんなにひょうひょうと、何の束縛もしがらみもなく生きているように見えるチカブミさんは“自由”なだけで。


あたしは今、クビになった会社を離れて宙ぶらりんだと思って焦っていたのは“自由”それが見えなかっただけで。


そう、“自由”。


あたしは今、また次のステップを選択する“自由”を与えられたんだ。


「知香?」


冷めたコーヒーを飲んでいるチカブミさんに、カレー。


あたしはまだムカつきのおさまらない胃にりんごジュースを用意して、テーブルについた。


「いただきまーす」


チンチクリンのジャージを着た、カレーを頬張るチカブミさん。


“自由”を呼んでくれたこの人は。


救いのホームレスさん。
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