ホームレスな御曹司…!?
「さ、着いた。この店、入っていけよ」


「え…」


大きなビルの1階、木目調に白くペイントされた雑貨店。


「グリーン…ネックレ、ス?」


お店の名前は、グリーンネックレス。


ショーウィンドウにはナチュラルでいてかわいい服がセンス良く飾られていた。


「ここに知香の仕事がある」


「仕事、って…?」


「とりあえずはコンビニのバイトでもする気だったんだろ?レジで弁当売ってるよか、こっちの方が時給もいいし、知香の探したい“何か”ってヤツも見つかるかもしれない。行けよ」


「チカブミさんのお知り合いの店です、か…?」


「まぁ、そんなトコ。じゃあ、オレ行くから。せいぜい頑張れ、な?」


───ポンッ


頭に降った細くしなやかな手は。


もう二度と味わう事のないあたたかなぬくもりを残して、あたしの前から去って行った。


あっけない別れは。


あたしの心にポッカリと穴を残して。
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