ホームレスな御曹司…!?
隣に座った広樹はあたしの左手を握る。


あたしの手は冷たいのに、広樹のは熱くて。


その体温に近づかなきゃ、って思う程、指先は冷える。


「寒い?」


「うん…少し」


寒いのは体じゃなく…二重の鍵で封じてしまった心。


「温度、少し上げるね」


優しい広樹は、きっとあたしの気持ちを見抜いてる。


辛いのは…どっち?


チカブミさんを見失った、あたし?


近づこうとしないあたしを隣に置いた、広樹?


わかりきった答えに、あたしは苦しくなって、カシスオレンジを飲み干した。


「おかわり、持ってくるね」


冷蔵庫に向かう広樹、離れた手に。


ちょっと安堵。
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