ホームレスな御曹司…!?
♪~♪~♪


遠くで鳴ってるのは…あたしのケータイ。


起きたいのに起き上がれない重だるい体。


ベッドから這い出てテーブルの上のケータイにやっと辿り着く。


「…もじもじ」


『あれ?知香?どしたの、その声!』


「あー…ゴホンッ!か、風邪…」


『大丈夫?…じゃ、なさそうだね、こりゃ』


「りぃーんー、ヘルプぅぅぅ」


『全く間の悪い風邪だなぁ。あたし、今、仙台にいるし。お土産、牛タンとずんだもち、どっちがいいかなと思って電話したの』


「ぎゅ…牛タンで」


『食い意地はアリか。あー、でも心配だな。助っ人、知香ん家に向かわせるから、とりあえずの処置してもらってね』


「すけっとぉ…」


『いいっ!?ちゃんとおとなしく看病してもらうんだよっ!』


───プツッ
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