ホームレスな御曹司…！？

───ガチャ


「あれー?どうしてかなぁ」


───!?


…広樹!?


「アパートの前にトキヤの車があったから、嫌な予感がしたんだよね。鍵もかけずにヒトの彼女寝取るなんて趣味悪いよ、トキヤ」


チカブミさんは動じる事なく、あたしの体を起こして抱き締めた。


「前言撤回はナシだよ?」


広樹はそう言ってあたしを力いっぱい引き寄せた。


「言ったよね?所有者じゃないし、荷が重い、って」


「あのね、広樹…!」


「知香ちゃんの話は聞いてない。ボクはトキヤと話してんの。トキヤ、知香ちゃん欲しいの?」


「欲しいと言えば?」


「ハハッ。今更?ありえないでしょ、フィアンセがいる御曹司くんが」