誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
「ふああ・・・・・」

わたしは大きな欠伸をする。

今は春。

わたしが、歳三さんと過ごす4度目の春だ。

「いい天気・・・・」

今年も桜が満開です。

「そうだ・・・あの場所に行ってみようかな・・・」

わたしはそう言って屯所を抜け出す。

行く先はもちろん一つ。

「ここだ・・・」

土方さんとあの夜に出会った桜。

「懐かしいなあ・・・・」

桜の木にそっと寄り添い触れる。

まるで土方さんと出会ったのが昨日のようだ。

そしていろいろな思いが私の胸にあふれる。

あなたと出会いました。

だけど、私は一度現代に戻りました。

それからいろいろな思い出を作りました。

笑ったり、怒ったり、泣いて困らせたり・・・・

貴方を忘れた世界も体験しました。

未来の私にも出会いました。

何度もあなたと離れそうになりました。

だけど

やっぱり私はあなたの手を放すことはできません。

そう、それはきっとこれからもずっと・・・・
< 150 / 160 >

この作品をシェア

pagetop