小さな幸せ
「惣さん、私何にもない。


 仕事も辞めちゃって。


 あたしなんかじゃっ。」


「仕事は探せばいいし、

 したくないならそれでもいい。」


「でもっ」


「和実がいいんだ。返事は?」


「あたしも惣さんと一緒に居たいです。


 ずっと、ずっと一緒に居たい。」


「判り難い。」


「結婚したいです。」



「じゃあ、婚約成立って事で、

 記念すべき婚約初夜。

 さあ、俺の部屋おいで。」


おいでって、両手広げられても…


「でも惣さん、明日も仕事が…」


「仕事はいつもある。」


「でも、今日はもう遅いし…」


「まだ日付変わってない。」


「でも…」


「和実?いや?」


「嫌じゃないです。」


「じゃ、おいで!」


蜜に誘われるミツバチだ



惣さんの腕の中に飛び込んだ。



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