小さな幸せ
「まあ、そこへ座ってくれ。」


「失礼します。」


私達は伯父さんに呼ばれて、山都邸に来ていた。


応接室に通されたあたし達は、

伯父さんの前に並んで座った。


「パパ、お客様に失礼よ。」


香澄ちゃんと旦那様の川中さんも来ていて、

どうも伯父さんには歩が悪い体勢である。


「急に呼び出してごめんなさい。

 今回はあたし達も関係していたことだったから

 ちゃんと、話しあっておかなきゃならないと思ったので

 来ていただいたのよ。」


「やあ、和実ちゃん久しぶりだね。」


「はい、お噂は惣から聞いてます。」


「私は惣さん初めてお会いするわ、

 和実ちゃんと主人がお世話になっています。」


「あ、いえ、こちらこそ、お世話になって、

 こうして彼女に会えたのも

 香澄さんのおかげです。」


「幸せそうで良かった。


 今回はパパが余計なちょっかい出したことで、

 大変な事態を起こしたみたいで。

 本当にごめんなさい。」









< 212 / 297 >

この作品をシェア

pagetop