小さな幸せ
玄関ホ-ルには撮影機具とカメラマンが待ち構えてて、

色々な注文を受けながら写真を撮られた。



1時間程したあたりで解放され、

惣は逃げるように私を連れ帰った。



惣のマンション。

あたしは、コ-ヒ-を飲みながらソファ-で沈黙していた。

惣がやってきて隣に座ると、

私は無言で立ちあがった。

明らかに不機嫌な私を、

なだめようと必死だ。


「なあ、和実怒ってる、悪かったよ。


 あんな事を用意しているなんて知らなくて

 のこのこ連れて行って、

 次はあんなことないようにさせるから。


 機嫌直せって…」



「違う!サプライズ嫌じゃなかった。

 別にそれで怒ってるわけじゃない。


 惣はちゃんと家族の人達と話させてくれなかった。


 皆さんに会いに行ったのに、

 私がどんな気持ちで行ったかなんて判ってない。」





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