赤い狼と黒い兎Ⅱ
―――心臓が、大きく波打った。
どくりどくり、と嫌な音が自分の中で響く。
ただ、怖い。
何が“怖い”のか、あたしには分からないけれど、ただ言い知れぬ恐怖に怯えた。
「謝って、許される事じゃねぇのは俺だって分かってる。こんな生易しい言葉で解決出来る問題でもねぇ……」
けれど…、嶽の話を聞かなければならない。
だって彼は今…―――自ら変わろうとしている。
余計な事を言って彼の意思を退けるのも間違っている。
なら、黙って聞くしかない。
…大事な事、だから。