赤い狼と黒い兎Ⅱ
亜稀羅に起きあがらせてもらい、乱れた服を直した。
「もうすぐ先代達が起きる時間だよ」
『え?あ、もうそんな時間?』
部屋に掛かっている時計を見ると、もう朝の6時だった。
あれ、おかしいなぁ。さっき退けをを見た時はまだ3時だった気が……。時間って経つの早いなぁ。
「それとね、馨」
『うん?』
妙ににっこりと笑う亜稀羅を不振に思いながら頷いた。
「“この”狼には何をされたのかな?」
「あ゙?」
『へ?』
“この”を強調して言った亜稀羅。唯兎が「あ゙?」って言うのとあたしが『へ?』って言うのは同時だった。