三日月ギター



…どこの肖像画から飛び出してこられたんですか…。

向かいのおじいちゃん家の油絵ですか?あ、あれは確か女性…。待て待てまさか「女じゃない」


「ん?違うのか…」

じゃあ何なんだこの人。


あれ?


「日本語しゃべった?」

「さっきから何考えてるんだ?」


「日本語しゃべってる…」

「意味わかるか?俺の言ってることの」

あれ、おかしいな。間違えたか?

そう言いながら考え込む彼を、私は何も言えずに黙ってみていた。





さっき合ったとき吸い込まれそうだった、蒼い瞳が陰っている。

顔に前髪が薄くかかって、サイドは短くまとめられているが後ろ髮はシュッとしっぽのように長かった。

それを左側から編み込んで肩に垂らしている。

これ何色っていうんだろう。
銀色?金色?

まぁ、いずれにしてもかなり目がチカチカする。

耳のピアスもそれを増幅しているに違いない。だいたいあれ宝石ついてないですか?やっぱり王子?




「とにかくルカ、行こう」



なんですか、いまの物語始めますな発言は。


ん?ルカ?




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