黒縁メガネ男子に恋してる

ぼーっとそんなことを考えていたら。


「おはよ、綾華!
ねぇ、なんかいいことあった?」


突然、菜々美に顔をのぞきこまれ、思わずのけぞる。


「あっ、菜々美! お、おはよ!
えっ、いいこと? いや、べつに?」


動揺を悟られないように、すぐに平静を装ったんだけど。


「えー、あやしー!
今、綾華、めちゃくちゃニヤニヤしてたよ!」


ヤバッ。


ニヤついてた自覚があるから、顔がカッと熱くなる。


「ほらぁ、白状しなさい、綾華!」


まるで刑事みたいに菜々美はせまってくる。

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