黒縁メガネ男子に恋してる

ううん、やっぱり、ムリ!


雄太とふたりきりなんて、絶対にイヤ。


あたしが顔をしかめて、そんな葛藤を心の中で繰り広げていると、


「じゃ、俺らも行こっか」


智哉が、声をかけてきた。


「あ、うん!」


顔を上げて智哉を見ると、あたしを励ますように微笑んでいる。


うわっ、智哉のこんな優しそうな顔、初めて見たかも。


――ドキドキドキドキ。


ヤダ、あたし、なに意識してるんだろ。


相手は、地味な優等生メガネ君じゃない。


智哉なんて、全然タイプじゃないのに。


だけど……。

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