深海の眠り姫 -no sleeping beauty-





何の問題が、って!
大有りじゃない、この人頭おかしいの!?



「………そもそも!恋人でもないのに一緒に住むってところがおかしいんですってば!」


私がそう思いっきり叫ぶと、途端に芦谷さんは目つきが悪くなっていく。
かと思うとぬっと身を乗り出して私の顔を見つめだした。



「…下心なんてねぇからさ。心配なんだ、こんな隈つくるくらい寝れてねぇならいつか倒れちまうぞ?」




―――心配そうなまなざしで見つめられるとどうしたらいいかわからなくなる。
突き放して逃げちゃえばいいのにそれもできなくて、私はすっかりうつむいてしまった。



「なんで、そこまで」


心配して、くれるの?





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