夕日塔の約束
通りすがりの人が見ても、何の疑問も持たない光景なんだろうけど………私達は特別。


1年もの間ろくな会話が無かった元カレ・元カノ同士の私と日希がこんな風に喋ってるのは……ちょっと前ならあり得なかった。


『……でさ、ソイツが―――』


『へぇーー、そうなんだ』


『…………っ』


別れてから私は、学校で日希に会う度に避けていた。


ササッと物陰に隠れたり、女子トイレに逃げ込んだり。


用事があってA組に行かなきゃいけない時も、稚鶴に頼んで日希がいないのを確かめてから行ったりしてたな………


「危ねっ!!」
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