夕日塔の約束
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――――
―――――…


「……ウソでしょう?」


「ウソじゃない、全部本当の話だ。きちんと確認もとってある」


「夕穂…信じられないかもしれないけど………私は宮迫がウソついてるとは思えない」


宮迫君が話してる間ずっと黙っていた稚鶴が、彼に視線を向けながら言う。


私の頭は、もはや完全に思考停止に陥っていた。


「日希がした事、“浮気”だと言い張りたきゃ言い張ればいい。事情があったにせよ、そう思うヤツもいるだろう」


目に悲しさや悔しさを滲ませながら話す宮迫君。


その姿はウソを言ってる様には見えない。
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