あなただけを愛したい
彼女
家に帰って、お風呂にも入ったあと……



コンコンッ……



「入ってもいい?」


「いいよ」



部屋に入ってきたお姉ちゃんは、とにかくニヤニヤしていて……



「何?気持ち悪いんだけど」


「柑那の好きな人って、先生だったんだね」


「なっ!」



なぜそれを!?



「さっき一緒に帰ってくるのを見ちゃった。うまくいったの?」


「な、な、なんで!?」



お姉ちゃんの口から、先生の話が出るなんて思いもしないから、かなり動揺してしまった。



「つい最近、うちを訪ねてきたんだよ」


「えっ」



そういえば先生が、お姉ちゃんに聞いたって言ってたっけ。



「勘違いだったんでしょ?良かったね」



勘違い……


あたしを、お姉ちゃんと勘違いしてたってことだよね?



「うん」
< 111 / 453 >

この作品をシェア

pagetop