あなただけを愛したい
悪いヤツ
.



夕方、航が家まで迎えに来た。



「乗って」


「うん」



ドアに手を掛けて、助手席に乗り込む。



「俺のアパートでいい?」


「うん」



あたしの返事を聞いて、車が走りだした。


航のアパートは、合コンで助けてもらった時に行って以来。


付き合い始めてからは一度も行っていない。


もし誰かに見られたら……


と思ったら、目立つことはできなかった。


だから、ほとんどがドライブデートだった。



「何時までに帰ればいい?」


「七時くらいかな。その頃にはお父さんもお姉ちゃんもやっちゃんも帰って来るし」


「やっちゃんって?」


「お姉ちゃんのフィアンセ。六月に結婚するんだ」



ジューンブライドはとれないかもって言ってたけれど、運良く枠が一つだけあいていたらしく……


即効その日に決めたらしい。
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