あなただけを愛したい
「そういや柑那、……誕生日おめでとう」



そう言って、額にチュッとキスを一つ落とす。



「あ、ありがとっ」



あまりにもどきどきしすぎて、うまく言葉が出ない。



「なにがいいか迷ったんだけど……」



航があたしの右手をとる。


そして……


薬指にスーッと冷たいものが通る。


そのままその場所にもチュッとキスを落として、



「もう、離さねぇから。……柑那が“別れたい”つっても別れない。俺の元から逃げ出しても、連れ戻す。もう絶対に――…この手を離さねぇからな」



航はあたしの右手をぎゅっと握ったまま、反対の手であたしの後頭部を押さえて……


唇が触れるか触れないかの距離で



「柑那、愛してる――…」



そう言ったあと、唇を重ね合わせた――…
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