愛★ヴォイス
《そんなに、俺の声が聴きたいんですか?》



「!!!!!」



驚き過ぎて、思わず携帯を勢いよく閉じた。



これは――完全に……バレてる。



バレたバレたバレたバレた。



音声データを送りつけてくるなんて――!



私には彼の真意が図りかねた。



(いったいどういうつもり……?)



幼い頃、友人にこの性癖を告げた時の、冷たい視線を思い出す。



“声が好きとかキモチワルイ”



深く胸を抉られた記憶。


あれから家族を含めた誰にもひた隠しにしてきた、私のたった一つの拠り所。



それが――彼にバレた。バレてしまった。



ダイニングもキッチンもリビングも、ごく普通のOLの一人暮らしといったインテリアでまとめてある。

秘密基地のように、寝室だけをせっせと趣味の部屋に作り上げたのだ。
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