君のしもべ
ーー私がまだ保育園に
通っていた幼い時の事
離れた場所に住んでいた
祖父が突然亡くなった。
そして一人になったしまった
私達の祖母。
たぶん兄は幼いながら
そんな祖母を心配して
『ばあちゃんと
一緒に暮らしたい』と
言い張って、
仕事の都合で引っ越せない
親の反対を押し切り
結局遠く遠く離れた
祖母の元へ引っ越した。
今回は祖母が老人ホームに入ったので
『家に帰って
工場を経営している父を手伝う。』
・・と兄が言い出し
2回目の引っ越し。
昔住んでいたこの地に
戻ってきた。
「和兄ってほんと
勝手だよねー・・」
「そうかー?」
けどそんな兄に必ず
ついていく私がいた。