君に伝える。

麻子 side



あ…れ?
ここ、どこだろう?

「…麻子」
「ふぁい?」
「寝ぼけてるんじゃないよ、麻子!」
「はっ!」

わ、教室だ!
なんでなんで?
あたし廊下で寝ちゃった記憶があるよ?

「もう。普通女子が廊下で寝る~?」
「あた、あたしなんでここ…?」
「原岡が運んでくれたのよ」
「原岡君が!」
「そ。まったく、困った子なんだから」

そうかぁ、原岡君が。

またお礼言っとかなきゃな。
あ、今日放課後残らなきゃいけないんだ。
その時に言おうっと。

「ねぇ、麻子さ、原岡のこと好きなの?」
「うん、好きだよ」
「彼氏にしたい?」
「えぇ~?そういう好きじゃないと思う」
「そっか」
「第一、彼女いるしねぇ」
「あぁ、あれデマだったみたいよ」

< 101 / 262 >

この作品をシェア

pagetop