君に伝える。

「早く来て!」
「何だよこんな時に…うわっ」

喜田に歩み寄ると、
いきなり腕を引っ張られた。

「こっち!こっち来て!」
「ちょ、どこ行く…「シッ」

喜田が唇に人差し指をあてる。

「静かにして、見つかっちゃうから」
「…お、おう…」

なんでコイツ俺に味方すんだ?
それに、なんで俺が秋野に追われてること
知ってるんだ…?

頭の中で、佐藤の言葉が思い浮かぶ。

“彩菜が石神君を好き”

だからなのか?

喜田が、俺を好きだから味方すんのか?
俺を逃がすのか?

ワケ分かんねぇよ……

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