君に伝える。

ブスブスと言われっぱなしの佐藤は
且元のことなんか気にしていない様子。

どこか上の空で……

「佐藤?大丈夫か?」
「夢、みたい…」
「何、頭おかしくなった?」
「違うの。原岡君に、抱きしめられるのが」

え、何どーゆーこと??

「嬉しくて、夢みたいだな~って」
「ふざけんな!!ブス!」

且元が佐藤に近づいて、
髪の毛を引っ張り始めた。

「おい、ちょ、やめろって!!」
「あたしにキスしてくれたらいいよ」
「……っ…」

んなことできるかよ。

佐藤の目の前で?
キス?
この且元と?

そんなの佐藤が傷つくだけだ。

力ずくで止める?
そしたら佐藤まで危ない。


「…痛っ!!…」

且元が佐藤を殴る。
しかもグーで。

「マジやめろ…」

ガララッ!!!!!

「何してんだこの野郎!!!」

え、喜田?

キャラ変わってなくね?

「ちょっと聞いてたらよぉ、
 お前ストーカーかよ」

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