君に伝える。
HELP ME

彩菜 side












昼休みから、麻子がいなくなった。

“ちょっと、呼ばれてるから行ってくる”

そう言って、どこかへ姿を消した。

誰に呼ばれてんのよ…
原岡は教室にずっといたから違うし、
将器も彩菜と一緒にいた。

「ったく、どこ行ってんのよ…」
「喜田~、麻子知らねぇか?」
「彩菜も知らないわよっ!馬鹿原岡!」
「え…∥」

何で俺?
みたいな顔をしながら、
廊下に出る原岡。

まったく、彼氏なんだからしっかりしろっ。
自分の彼女ぐらい管理しとけよ。
しかも麻子は天然だってのに…

「ねー彩菜ぁ。野乃花ちゃん知らない?」
「知らな……
 ねぇ、楠城さん、いつからいない?」
「んとぉ、昼休みくらいかな?」

わ、これヤバイ系じゃないの…?

お願い、早く戻ってきて麻子……っ!!!
< 242 / 262 >

この作品をシェア

pagetop