LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
紗英子に止められなければ、俺は彼女と近付けなかった。

そんな奇跡にも気付かずに、ホームのベンチに腰を下ろした。



「今年度から私、秘書課に移ったでしょ?」



「そうだったのか」



全く知らなかった。

優里からも紗英子からも、聞かされてない。



「そうなの。そしたら、課長からある話を聞かされて。…知りたい?」



「何をだよ?そこまで言ったなら、言えよ」



「まぁ、言うけど」



鞄から、ダイエット者に人気のコントレックスとかいうミネラルウォーターを取り出した紗英子。

一気に飲みし、「実はさ…」と、横目で見られる。
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