桜星サンセット
「もう一つ約束しよう。明日家に遊びに来て。遠いけど、さっきの電車乗って終点で降りればいいから。乗り換え無しで簡単でしょ?」

「うん。行く、行く」

「じゃあ、明日ね」

「うん、電車に乗る前に電話して。迎えに行くよ」

明日の約束をして私達は別れた。

店を出る時にちらっとあの子達、あの元友達を見たが、全く私には気付いていないようだった。

4人が4人共それぞれに、鏡を見たり携帯をいじったりしていた。

私の悪口を言い尽くしたらもう話す事は無いのかもしれない。

考えて見たらあの頃もあんな感じだったような気がする。

人の悪口と文句で盛り上がって。

いつも一緒にいる事で友達って確認して。

他の子とは話しちゃいけない、遊んじゃいけないって暗黙のルールが有って。

なんかおかしい、いびつな形だったんだ。

離れてみて初めて気付いたよ。

家までの帰り道歩きながら携帯を開いた。

数少ないメモリーの中からあの4人を順番に出して消していった。

躊躇無く削除のボタンが押せた。

何度もメールや電話をした番号と、ハートマークや音符の付いた名前はピッという音と共に一瞬で消えた。

さよなら。

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