桜星サンセット
学校
朝起きて最初にしたのは鏡を見る事だった。

昨日の事が全部嘘で、鏡の中には今までの暗くてさえない自分がいるような気がしたからだ。

そこには朝日に包まれた少し眠そうな私がいた。

もちろんつやつやの髪の私。

一気に目が覚める。

「おはよーー」

その声は家中に響き渡った。


約束した電車の３両目に乗る。

「コウー、おはよう」

扉が開いた瞬間アンが私に声を掛けた。

「おはようー」

込んでいる車内をかき分けてアンの元へと急ぐ。

「うわー、声もすごいかわいい」

あちこちからヒソヒソとアンの事を話す声が聞こえた。

さすがアン、車内中の人にチェックされてた。

こういうのアンに聞こえてるんだろうか？

「コウ昨日よりずっとかわいくなってる」

「ほんとに？昨日ちゃんと色々塗って寝たからかなー？」

「日焼け止めもちゃんと塗ってるし。よく出来ました」

アンは私の頭をよしよしした。

みんなが見ているのに恥ずかしいよー、でもちょっと嬉しいかも。

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