桜星サンセット
「白井さん。あなたすごいのねぇ」

その声は高野さんだった。

舞ちゃんも奈々ちゃんも絵梨ちゃんも心配そうにこっちを見ている。

「中学の頃相当の数の男と付き合ってたんでしょ?付き合ってはすぐ捨てて、とっかえひっかえしてたんだって?」

何言ってんの?

まだあのこと根に持ってんだ。

「それを隠すために遠くのこの学校に来たんでしょ?また男漁るために」

「いいかげんにしてよ!そんなウソ」

思わず叫んだ。

「ウソじゃない!白井さんと同じ中学の子に聞いたんだから」

勝ち誇ったように高野さんは言った。

「そんなこと・・・」

怒りで声が震えた。

「アン、何か言ってやってよ」

アンならきっと前みたいに高野さんにばしっと言ってくれる。

「本当よ」

何言ってるの、アン?

「何人もの人と付き合っていたわ」

目を伏せて、しかし、はっきりとアンは言った。

「ほーらね」

高野さんの満足気な顔。

みんながヒソヒソと話す声が聞こえ始めた。

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