蒼幻の天使~A Solitary Flower
自分の叫び声に深い眠りから呼び覚まされる。

気がつくと、ここは私の部屋だった。

お気に入りのピンクのベッドの上からぼんやりと天上を見つめる。

「夢…」

「美月、大丈夫か?」

ふわりと私の頭に大きな手がかぶさってきた。

「パパ…」

パパはちょっとお医者様の表情で私の熱を測るように、額に触れる。

「うなされてたな。熱はなさそうだ」

パパはクールに見えるけれど、ほんとは優しくて、どんな時でもママと私を護ってくれる。

「パパ、私、どうしたんだっけ?」

「遊園地で倒れて、拓真くんがパパに連絡をくれたんだよ」

拓ちゃん……心配かけちゃった。

デートも台無しにしちゃったんだ。

ごめんね、沙希。

「美月、ママって叫んでたな」

「!?」

ママ……。

思い出した。

遊園地でのあの悪夢のような出来事。

蒼い瞳の男が現れて……私を敵なのかって。

そして、ママを連れて行くと。



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