攻略難関なイケメン君。
だって話し掛けた時、素っ頓狂な声で返答してたし。

まぁ、でも一応教えてくれたわけなんだよね。


感謝しないとな…「あのっ…!!」


え?何??


今お取り込み中なのに…。


ってなんだ、佐々木かよ。←え(笑)


気付いたらあたしは完璧にMy worldに入ってたらしい。

思案中とでも言うように腕を組んで、あたしは立ちすくんでいた。


その姿勢のままあたしは


「はい?」

と返事をする。


すると佐々木は恥ずかしくなったのか俯いてしまった。


「お…俺の話聞いてました…?」


遠慮がちに聞いてくる佐々木にあたしははっきりと言い放った。



「ごめんなさい、考え事をしてたの。もう一回言って?」


「え、あ…うん。そこの席は不登校の奴の。」


「へぇ、不登校??」


「うん、一度も学校来たことないから顔は知らないけどねっ…!」



「…ふーん、だったら退学すればいーのに。」


ぼそっとあたしは呟いた。

「なんか言った?」

背後で佐々木のそんな声が聞こえた気がしたが、あたしはスタスタと自分の席に戻り鞄を取るなり、そそくさと教室を出た。
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