攻略難関なイケメン君。
やっぱり夢???
いやそんな訳ないんだけど・・・。
「んま、けっこうおもしろい夢じゃない。」
うわっ!夢前提で褒められたって嬉しくないんだから!!
「・・・夢じゃないもんっ!」
「へぃへぃ。分かったから、明日たんまりと聞いてあげるから!今日はとりあえず寝よ?」
もぉ・・・いい。諦めたぞ、美麗は。
しかし奈々たんもう少し付き合ってもらおうではないか。
「待って・・・。奈々・・・。」
「ん?」
「前・・・に・・・、ゲームやってたって言ったじゃん?」
「ああ、あの全員落とすのに何カ月かかるかってやつね。」
「・・・そ。で、それまであたし、不登校生徒がいることなんて知らなかったのよ。」
「まぁね。皆忘れてたと思う。存在も。」
「だけどあたしは昨日その存在を知った。もう一人いることを・・・。つまり、全クリじゃなかったのよ。」
「うん?まぁそーゆーことになるね?」
「だから、あたしは全員を攻略するためにアイツを落とす!!!
そう!!次のターゲットはあいつよ!!」
「・・・はぁ。夢の人物をどーやって落とすのさ・・・。まぁいいや。頑張って頂戴。」
「ええ、頑張るわ。不登校生徒すらも落としてみせる!!」
「でも・・・、学校来ないんじゃ話すことすらできないじゃない・・・。」
呆れ半分でそう尋ねられたが、あたしは自信持って言い放った。
もう、それはそれは呆れかえるぐらいの勢いで・・・。
―――あたしは宣戦布告したのだ。
「来ないなら来させるまでよ!!!!!!!!!!!!」
ブチッ
宣言し終わった直後に、呆れかえったからなのか、それとも奈々の睡魔が限界に到達したのか電話が向こうから切れた。
ツーツーツー。
・・・。
何も言えなくなったあたしはそのままニヤッと満面の笑みでベッドに潜り込んだ。
待ってなさい、イケメン君。明日が待ち遠しいわね。今日の恨み晴らさせてもらうわよ?
このときあたしの中に弱点を握られたという恐怖は全くなかったのだ。