幼馴染みに奪われました
信じたくないデート
* 中井 時雨 *
現在、駅前の近く。
もうすぐで、葵君に会える!
ってそれよりも………
今日は土曜日だからか、何だかいつもより人数が多い…。
どうしよう…見つけられるかな…?
そんな不安を抱き始めていると……
グイッ
「わっ?」
「…ったく、前見て歩けよな。ぶつかるぞ」
翔の声がした。
まあさっきからいたんだけどね。
「見てらんねードジだな、おい」
不機嫌に突っ込む。
何だか翔、さっきから機嫌悪いんだよ。
なんかねぇ~………
さっきあたしが、
『で、お前にしちゃ珍しく部屋汚ねーぞ? なんかあんのか?』
『ハッ!? そうだった! 駅前! 駅前!』
翔が眉間に皺を寄せながら、
『…駅前? 何で、んなトコ行くんだよ?』
『だって葵君と待ち合わせしてるの~♪ 楽しみだなあ~♪』
『は? 待ち合わせ? 2人で?』
『うん、待ち合わせ。でも2人でかは分かんない。あっ! そういえば、翔が一緒に遊ぶ約束みたいなの行かなかったからじゃないの?』
『んぁ? 何を?』
『え、葵君となんか約束してたんじゃないの?』
『んなのしてねーよ』
『ええええっ!?? だって葵くんが……ほら』
ケータイのメール受信ボックスを開き、さっきのメールのやりとりの一部を見せた。
『…………』