今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


手を引っ張ってもらい、私も立ち上がった。



まー兄が帰ってきちゃうってことは、こうして2人で話す時間も終わりってことか……。



名残惜しくなり、思わず脱衣所のドアを開けようとした暁の腕を掴んでそれを止めた。



「どうした」

「……もう、部屋に戻るんだよね」

「あぁ。もう雅己さん戻ってくる」

「そう、だよね……」



寂しいだなんて……まだ付き合ってるわけでもないのに、甘えられない。



でも、まだ離れたくない……。



ただ下を向いて無言をつらぬく私。



「心優」



大好きな暁に名前を呼ばれて顔を上げざるをえない。



すると、あっという間に暁に唇を奪われた。



軽く触れただけのキスは、目を閉じる間もなかったため、さっきのキスよりも恥ずかしかった。



「けじめついたらちゃんと可愛がってやるから、それまで我慢しろ」

「……」

「いいな?」

「……はい」



ずるいずるい……っ。



キスされた直後にそんなことを言われて、我慢しないはずがないよ……。



暁への気持ちがさらに大きくなった私は……暁と初めて手を繋いで階段をゆっくりとのぼった。


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