今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。

帰宅し、ゆう兄に暁の彼女らしき女の人のことをさっそく聞いてみたところ……「あぁ、るいか」と即答してくれた。


"るい"さんは、私の予想通り、暁の彼女だった。



正確にいつから付き合ってるのかは分からないらしいが、短くても高校2年の途中から、2人は付き合ってるらしい。



るいさんは暁と同い年で、私たちの通う高校から徒歩で15分ほどの距離にある女子高に通っているらしい。



地元では、あまりにも綺麗だから知らない人はいないほど有名なんだとか。



そんな事実を知って……私は、暁に対して沸々と心の中で怒りが湧いてきた。



るいさんという彼女がいながら、初めて会ったあの夜、私に簡単にキスしたことが許せなかった。



……しかし、好きになってはいけないんだと気づき、今度は心の中がむなしさでいっぱいになってしまった。



相手は悪魔。

ましてや、私が誰かを好きになるなんてありえない。

むなしくなる必要なんてないのに……。



暁に出会ってから感じる初めての感情に、心が追いつけないでいる。


この日はなかなか眠れなくて、結局眠りにつけたのは夜中だった……。

< 74 / 385 >

この作品をシェア

pagetop