レンタル彼氏 Ⅱ【完結】
「じゃあ、どこ行こうか」


聖が私の手を取ったまま、反対の手を顎に置いて首をひねらせて唸る。


「…………とりあえず」


「え?」


「手、放して」


「何で?」


「いや、彼氏じゃないから繋ぐ意味わからない」


「友達でも、繋いでよくない?」


「………………」


なんて、強引なんだろう。
ムカつくんですけど。

バッと力任せに手を解く。
すると、聖はがっかりした顔で私を見た。


……彼氏じゃねえっつうの!
伊織以外、無理だし。


「ちぇっ、いずちんは一途かあ」


「いずちんってゆうな!」


「いずちゃん」


「…………」


頭が痛い。
会話にならない。

「お腹空いた?」


聖は上目遣いで、覗き込むように私を見て言う。
そんな顔しても無駄です。


「特に」


「んー甘いモンは?」


「…特に」


「あ、今絶対間があったよね?近くにおいしいケーキ屋あんの!行こうよ」


「行かな………えっ!おい!」


私の答えなんかお構い無しに、聖は私の腕を掴んで歩きだした。
こいつ、本当に何なんだ!?
< 10 / 324 >

この作品をシェア

pagetop