レンタル彼氏 Ⅱ【完結】

透明…聖

繋がれた手から伝わる温もり。

少し前を歩いて俺を引っ張る君の姿。


涙が出そうになるほど。
この存在が嬉しくて。


“聖と出会えてよかったんだから”


俺が生まれたことを、今まで犯した罪を。

何もかもを包み込んで許してくれる言葉。




伊織と出会う前に俺と出会えたら、両思いになれたかな。


俺の、閉ざされた心に一筋の光が差し込んだ。


泉と言う名の、消えない光。







冬のように凍てついた心を、溶かす春のような温かさで。



泉に出会えたことに。



ただただ、感謝しよう。





これからの未来。




暗闇を歩く必要がないって。


泉が道しるべしてくれたから。




信じて進むんだ。



泉を信じる怖さはないから。
< 179 / 324 >

この作品をシェア

pagetop