レンタル彼氏 Ⅱ【完結】
「待ち合わせって大学の奴?」


「ううん、違うけど当たってるような」


「なんだ、そりゃ」


「うーん、だって、大学生じゃないけど、大学にはよく来るんだよ」


「はっ?意味わかんねえんだけど」


「意味わかんないよねっ、あっ、順二注文どうする?」


「まだいいや、来てからで」


「…順二、待ち合わせ、まさか彼女とか?」


私が冗談半分で言うと、順二はうっと言葉に詰まる。
ま、まじ、なの?


「彼女なのっっっ?!」


身を乗り出して聞くと、順二は視線を反らしながら照れた様に頷く。


「………そう、彼女」


「えーえーえー!」


順二に彼女?!
なんか、信じらんないっ!

初めて聞いた!初めて知った!


「どんな子なのっ?」


興奮しながら私は彼女のことを聞く。

順二は頬をぽりぽりと掻きながら

「なんか、おっとりした子」

そうやって幸せそうに言った。


それに私の心まであったかくなる。


な、なんだよー!
何、その幸せそうな顔!

< 212 / 324 >

この作品をシェア

pagetop