レンタル彼氏 Ⅱ【完結】
戻って来た鈴恵さんは、私に真っ白な封筒を差し出した。
それを見上げて首を傾げる。
「これ、伊織の今住んでいるアパートの住所よ」
「…えっ」
私は震える手をゆっくりと伸ばして、その封筒を手に取った。
ここに、伊織の、住所…?
「必ず、会ってあげて」
鈴恵さんの真面目な口調に、封筒から視線を鈴恵さんにうつす。
「伊織はね、愛情を知らないの。わからないの。
そんな伊織を泉さんになら任せられるわ。
ああ見えて伊織は凄く弱いから」
「……っ、はいっ」
知ってる。
伊織が弱いこと、知ってる。
何度も何度も後悔したから。
「…それで会えたなら…伊織を絶対手放さないであげて」
「………っ」
手放したり、するもんか。
離れたいと言ったって。
私が絶対離れてあげないんだから。
ずっとずっといてやるんだから。
声にならない声をだしながら、私は鈴恵さんの言葉に何度も何度も頷いた。
「伊織にも幸せになる権利はあると、教えてあげて」
「………はいっ」
それを見上げて首を傾げる。
「これ、伊織の今住んでいるアパートの住所よ」
「…えっ」
私は震える手をゆっくりと伸ばして、その封筒を手に取った。
ここに、伊織の、住所…?
「必ず、会ってあげて」
鈴恵さんの真面目な口調に、封筒から視線を鈴恵さんにうつす。
「伊織はね、愛情を知らないの。わからないの。
そんな伊織を泉さんになら任せられるわ。
ああ見えて伊織は凄く弱いから」
「……っ、はいっ」
知ってる。
伊織が弱いこと、知ってる。
何度も何度も後悔したから。
「…それで会えたなら…伊織を絶対手放さないであげて」
「………っ」
手放したり、するもんか。
離れたいと言ったって。
私が絶対離れてあげないんだから。
ずっとずっといてやるんだから。
声にならない声をだしながら、私は鈴恵さんの言葉に何度も何度も頷いた。
「伊織にも幸せになる権利はあると、教えてあげて」
「………はいっ」