レンタル彼氏 Ⅱ【完結】

嫉妬…聖

鼻を赤くして震える泉を見て、微笑む。


最近、よく笑うようになった。

それに会社の奴らにも言われたけど、柔らかくなったって言われる。



年齢の所為だと言ったけど、きっと泉のお陰。




好きだよ、って言っても真に受けずさらっと受け流していた。



それどころか、泉は聖のこと好きだよ、なんて言ってくる。



…どこまでかき乱すのだろうか?




泉は、きっと俺がまだ美佳を好きだと思っているのだろう。




………もう、美佳のことはとっくに忘れていた。




ずっとずっと、隣にいる泉のことを思っていた。




だけど、泉はいつだって伊織のことしか見ていなかった。




伊織が羨ましかった。



何もかもを失っていたはずの伊織は、本当に欲しいモノを実はいつも持っている。





美佳だって。

泉だって。





それが、凄く羨ましい。





泉のこと………、俺にくれないかな。



ダメ、かな?
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