ユビキリ。

追い出されて立ち尽くしている翔を、
仕事帰りの私のパパが見つけてきたりして。



そういう日は、翔と二人で寝た。



次の日には、
必ずおばさんが翔を迎えに来た。


ごめんねっていっぱい泣いて。


翔は大丈夫って、

おばさんの頭撫でてあげてた。



翔は言ってた。



父さんががいなくなったから、
俺が母さんとナナを守るんだって。



だから翔は、
おばさんがどんなにおかしくなったって何も言わなかった。

毎日ちゃんと学校に行ってた。


あの日だって、
翔は学校に来たんだ。


一緒に帰って、
宿題が済んだら迎えに行くから遊ぼうって翔は言ってた。



言ってたのに。





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