梶山書店物語〈壱〉
レジから出ていく時は怒っていたのに戻ってくる時には人の顔見るなりニヤニヤして帰ってきた。

「何ですか?気持ち悪い」

「さっき高校生が奥村くんの事をカッコイイって言ってたんだよ」

だから絶対に言ってやろうと思って帰ってきたらしい。

「あんなの本気であるんだな。もしかしたら漫画みたいに恋に落ちたりしてな」

いい大人が中学生みたいに妄想しだした。

俺からしたら絶対にない。

奥村は、ジッと店長の顔を見て何かないか考えている。





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