二人の王子さま
そのまま馬の居る場所まで手を引かれたまま連れられて、先に春さんが馬にひらりと乗った。

遊馬さん程背がないのに、よくすぐに乗れるなぁ・・・
なんてのんきに見ていると、春さんが手を差し伸べてきた。

「馬、一人じゃ乗れないんでしょ?ほら」


ニコニコしながら春さんが手を出すので、少しだけ戸惑いながら手を乗せる。

するとぐいっと力強く腕を引っ張られ、あっと言う間に馬の上に乗っていた。


「帆香軽いねぇ」

あたしの後ろから手綱を引っ張り、馬が走り出す。


「どこに行くんですか?」

落ちないように馬に捕まるのがやっと、っていう位、スピードが速い。
遊馬さんはもう少しゆっくり走ってくれていたと思う・・・


「ん?いいトコロ♪」


春さんはそれだけ言うと、涼しい顔をして馬を走らせた。




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