みるくとりんご[短編]
初めて君と関わって、分かったことが2つある。
君は、普通に笑える人間だってこと。
そして、私とちょっと似てるかもしれないってこと。



み【る】くとりんご





#


「やばい立花かっこいい」


「きもーい」


例のごとく早弁をしていると、希美がなんとも不愉快な発言をした。


「キモいってなにさ。まじ隣とか鼻血出そうなんだけど」


「さいあくー」


あの最悪なナルシストがカッコイイとか本当にどうかしてる。

希美は色々と気の合う友達だけれど、男の趣味はどうも理解出来ない。




「てゆーか沙織はどうなのさ。千葉君の隣とかめっちゃ暇そうだけど」



「え? 案外楽しいよ?」


「は? 沙織まじで千葉君と絡んでんの?」


「うん。アイツ話のわかる奴だよ」



そう。『孤独野郎』もとい千葉龍也の隣になった私は、あれから奴と思い切って話をしてみたのだ。



が、案外それで気の合う男子だということが分かった。
< 6 / 31 >

この作品をシェア

pagetop