愛のうた。
「幸せを壊さないで。」 沙知side
「水川さんはこの進路でいいんですね?」

「・・・はい」


夏に近づくにつれ、3年生の私は進路を決めないといけない。

私の進路は1年の時から変わらない。


第一希望「S女子短大学」

第二希望「K音楽専門学校」


私は特別頭が良いわけじゃないから、短大を選んだ。

なぜ第二希望を音大にしたかと言うと、
私のパパとママはこの学校出身ということで、進められてたから。



私は全く音楽に興味がないから行く気はないんだけど。



ユキとヨウタはT大。
ナナは私と同じ短大。
ノゾム君は推薦をとるらしい。


シュンは・・・どうするんだろう。



私は短大に受かったら一人暮らしをするつもりだから、
もう本当にシュンと離れてしまうんだ。


シュンへの気持ちはもう、ない。

だけどやっぱり考えてしまう。



いくらひどい事を言われても、

最悪な男でも、


あの人は私が愛した人に違いない。




でも、いつまでも幻像を追っててはダメだ。

シュンはもう、あの頃のシュンじゃない。


髪だって、赤茶になり、ピアスもつけて、香りも変わってしまった。


そして隣には新しい彼女がいる。
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