愛のうた。
「俺のせいなんだ・・・っ
俺と一緒に居たから、嫌がらせされて、
傷つけた、苦しめた・・・。

好きだけど、
一緒に居てほしいけど、
沙知を幸せにするには・・・
別れるしかなかったんだ・・・----」



沙知、あんなひどい事言ってごめん。


俺が悪いんだ。

俺が・・・。



「お前のせいじゃないだろ?
自分ばっかり責めんなって・・・」


雅人の優しさで余計に涙線が緩む。

そんな優しくすんなよ・・・。




「俺はお前が誰よりも沙知を想ってるって知ってる。
沙知を守るために強くなるって、
格闘技始めたんだろ?
髪染めたんだろ?
お前は不器用過ぎなんだよ。

もっと自分に素直になれよ・・・」



「無理だよ・・・」


どうせフラレるのがオチだ。

あいつは新しい幸せを掴んだ。



・・・俺が壊すわけにはいかないんだ。



「そうやってマイナス思考に考えんなよっ!
やってみない限り、結果なんて分かんねぇだろ!?

自分に自信もてよ。
プラスに考えろよ!!!」


「-----っ!!」



雅人の言葉が心に響く。

“やってみない限り結果なんて分からない”


そうだよ。

あんなひどい事言って、
今さらダメって分かりきってる。


でも、
俺は誰よりも沙知を愛してる。



沙知が好きなんだ・・・----。


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