愛のうた。
「一生、離さない。」シュンside
雅人の言葉が蘇る。

“やってみない限り結果なんて分からない”


自分でも分かる。

でも想いを伝えたらどうなる??



何も、・・・
変わらないだろ。


俺は昔からそうだ。


弱虫で行動が出来なくて、
いくら見た目を変えても
何も変わりやしない。


「はぁ・・・」


ため息がこぼれる。

沙知に触れたい。
傍にいたい・・・。



思いが募るばかりで・・・。


急にこの殺風景な部屋にいるのが
虚しくなって、俺はジャンパーをはおい外に出た。



目の前にはチェリー公園。

公園のブランコに座ってる女。



後ろ姿だけでもすぐ分かる。





あのサラサラな淡い栗毛は
夕焼けでより一層茶色く見えて。


「沙知・・・」


そう呼びかけると
くるりと振りかえる沙知。



あの瞳、
香り、

全てあの頃のままで・・・。




気づけば俺は沙知を抱きしめていた。


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