君が恋に落ちるまで。




「 仕事は? 」


「 あぁ・・・まぁ・・・ 」




学生を。




咄嗟に”本当のこと”を
言ってしまった。




「 ああ、大学生なんだね 」


「 あっ・・・はい 」




通じた・・・。
”よかった”と安堵しながら
顔を上げ、同じことを聞き返した。




「 サラリーマン・・・かな 」


「 へぇ・・・今日は休みなんですか? 」


「 うん。昨日の内に終わらせたんだ 」




・・・・聞いては、いけないことだった?
”マズい”と一瞬歪んだ顔を
悠也さんは見逃さなかったらしい。




「 吹っ切れてるから、気にしないで 」




そう言って笑って、あたしの頭を撫でた。






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