ピエロの秘密

「俺の大嫌いな名前。」


「へ?」




“俺の大嫌いな名前”




いつもとは1オクターブくらい低い声で呟いた。


どうして?


いつもの陽気なピエロさんが嘘みたいに
顔を真っ青にしてうつむいた。



「どうして?いい名前じゃん!」


「・・・ありがとう。」



そのありがとうの言葉でさえ、
感情なんかまるでなくて。


私に届かずにどこかへ消えた。






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